ま行(酒用語集)

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前暖気
酒母の育成中、打瀬後膨れまでに行う加温操作をいう。また、この期間を前暖気期間という。
丸冷まし
もと分け

見掛け精米歩合
精米歩合
水泡
醪の状貌
水押し
酒母、醪を移動するとき、あるいは清酒を移動したり濾過するとき、最後に水を送り込む操作をいう。ポンプや濾過機内の残部を水で洗い出すために行う。
水切り
浸漬タンクの水を排出して白米の浸漬を終えることをいう。また、水切り後米置きまでの時間を水切り時間という。
水麹
酒母の仕込みのときに、水と麹を混ぜる操作、添のときは、酒母と水と麹を混入する操作、仲のときは、添の物料と水と麹を混入する操作、留のときは仲の物料と水と麹を混入する操作をいう。
水の加工
醸造用水に有効成分が不足そている場合、それを補って水質を改良することを水の加工という。加工の目的は、酵素作用や麹菌・酵母の生育と発酵を促進・調節することなどであるが、加工に使用する薬品は、酒税法基本通達に規定されているものに限られる。
発酵助成剤
水の浄化
水の浄化法には、井戸替、気爆法、砂濾過法、濾過・吸着法、凝集法、イオン交換樹脂法などがある。
水槽
上槽
水四段
追水
密閉発酵
←→開放発酵
未納税移出
酒税法第28条には、酒類を移出するとき、特別な場合には酒税を課税しないことが定められている。これを未納税移出という。
実米
掛米のこと。味米とも書く。
宮水
西宮の水と呼ばれていたものが、略されて宮水になったといわれている。古くから酒造用水として使用されている。
みりん
焼酎に米麹と蒸した餅米を混ぜ密封して数ヶ月置き、その間に餅米を糖化させてこした酒類。主に調味料に用いられる。

無機化合物
水、食塩、水酸化ナトリウム、塩酸などのように炭素を含まない化合物をいう。ただし、炭酸ガス、炭酸カルシウムなどは炭素を含むけれとも。従来の習慣から、通常は無機化合物として扱う。
←→有機化合物
無機成分
カリウム、カルシウム、鉄分など、焼くと灰分として残るものをいう。
無効精米歩合
真精米歩合から、見掛け精米歩合を引いた値をいう。
真精米歩合
見掛け精米歩合
蒸米吸水率
次式によって求める。
 
  蒸米吸水率(%)
  =(蒸米の重量kg-白米の重量kg)÷白米の重量kg×100
蒸米四段
甑から取り出した蒸米をそのまま熱い状態で、あるいは荒息を抜いた状態で、直接に醪に投入する四段仕込みをいう。親桶四段、スッポン四段ともいう。
無洗米浸漬
SSやBODの最も高い洗米排水をなくして公害対策費を節約する目的で、精米後の白米を研米機にかけて糖分をみがき取ってから、洗米をしないでそのまま浸漬する方法をいう。

飯蓋
醪の状貌
メタリカ
ピロ亜硫酸カリウム
メチレンブルー染色法
酵母の死滅細菌がメチレンブルーによって青く染まることを利用した酵母の検査法。顕微鏡下で酵母細胞のメチレンブルー染色率を求め、酵母の死滅率の指標とする。
メンブランフィルター型濾過機
微孔性薄膜等を濾材とした濾過機で、2次濾過(仕上げ濾過)に使用する。ミルポアフィルター、メンブランフィルター、ユミクロン、ミクロフィルターなどは膜フィルターの商品名である。

餅麹
「へいきく」とも読む。バラ麹に対して、中国のきょく子のように麦などの生の穀分を水で練り固めた形の麹をいう。
きょく子
←→バラ麹
糯米
餅や赤飯に用いる米で、糯米の澱粉はアミロペクチンのみからなる。蒸米四段に用いられ、これを糯(米)四段という。
酒母のこと
元卸し
酒母を初添の水麹に使用するため、添の仕込容器に移すことをいう。いわゆる酒母の使用時にあたる。
元分け
酒母中に酵母が十分に増殖した頃になると、アルコール分が8~10%となり、酸量も多くなるので、そのまま高温に置くと酵母の衰弱・死滅を招くことになる。そこで品温を下げるために、半切桶数枚に分けることをいう。しかし最近では、酒母タンクのまま氷などで温度を下げる方法が一般的であり、この場合、丸冷ましという。
もみ上げ温度
床もみ操作が終了したときの温度。
桃色濁り酒
清酒醪の仕込みに赤色酵母を用いて造った濁り酒をいう。赤色酵母がつくる色素は体内に蓄積し醪液に溶出されないため、酵母菌体を含むことによって桃色を呈する。
赤色酵母
もやし
種もやしという。
種麹
もやし香
製麹で、仲仕事ころに発生する青臭い香りをいい、オハグロ臭ともいう。
盛り
製麹で、切返し後12時間ほど経過すると麹菌の増殖が盛んになり、これ以後このままの状態で置くと品温が上昇しすぎるため、麹蓋あるいは麹箱に分配して温度管理をしやすくすることをいう。
モル濃度
分子量にグラム単位をつけて表した量を1グラム分子といい、溶液1L中に溶質1グラム分子(モル)を含む濃度を1モルという。
モレキュラーシービング・カーボン
分子篩活性炭。ビン香、老ね香などの脱臭に効果がある。MC炭はこの種の活性炭で、商品名である。
諸白
麹米、掛米とも白米で造った酒をいう。今日の清酒の原型といわれ、この名称は「多聞院日記」(1576年5月14日の条)に初めて出てくる。
一般的には、酒類になる前段階のものをいう。酒税法の定義によると、醪とは酒類の原料に発酵させる手段を講じたもので、こすか蒸留する前のものをいい、こしたり蒸留しない酒類の場合は主発酵が終わる前のものをいう。
清酒製造の場合には、酒母に水、麹、蒸米を3回に分けて仕込んだもので、糖化と発酵を進めて清酒の母体となるものをいう。
醪1kL当たり欠減量
上槽前後の欠減量を把握するための歩合。
醪熟成歩合
上槽前の醪において、原料白米100kgが占める割合をいう。

醪熟成歩合(%)
=(上槽前醪L数-汲水L数-添加アルコール・調味アルコールL数-原料清酒L数-原料粕換算L数)÷白米kg×100

ただし、原料粕換算L数=粕kg数÷1.1
醪垂れ歩合
原料として使用した清酒などを差し引いて、醪100Lから得られた清酒のL数を表す歩合。

醪垂れ歩合(%)
  =(清酒L数-原料清酒L数)÷(上槽前醪L数-原料清酒L数)×100
醪の状貌
泡なし酵母を除いて、普通の酵母の場合には、糖化と発酵が進むにつれて泡の状態がいろいろに変化する。これを醪の状貌という。
留仕込み後の2~3日経つと、醪の表面に数本の泡の筋が現れる。これを筋泡という。さらに1~2日経つと、白くて軽い泡が前面に広がる。これを水泡という。水泡を過ぎると、泡は次第に高くなって岩のような形になってくる。これを岩泡という。岩泡からさらに泡が高くなった状態を高泡という。高泡が次第に低くなる時期を落泡という。泡が落ちるとシャボン玉のような泡が残り、これを玉泡という。玉泡が消えて醪の表面が現れた状態を地という。地の状貌には種々あり、醪の表面に何も浮かんでいないときは坊主、薄い皮が浮かんでいるときはチリメン泡あるいは薄皮、米粒が厚く浮かんでいるときは厚蓋、飯蓋などという。
醪歩合
白米100㎏当たり醪数量が何Lになるかを表し、(%)をつけて呼ぶ。